コザは戦後、米軍基地に従事するアメリカ人が集う盛り場として栄えた街です。
バーや飲み屋が乱立し、
とても刺激的で妖しい街でした。
知り合いの写真家は、
この当時のコザの様子をよく撮影しに行っていて、
とんでもない無法地帯だったと言っています。
現在のコザは、
その当時のことをまったく思い起こせないほど静かな街になっていて、
全体的にさびれた感じが漂っています。
行く度にシャッター通りが増えていく感じがして、
寂しさが倍増していく感じです。
はっきりと言って、コザは子連れで行くような場所ではないのかもしれません。
歩いていても、子どもが好きそうな物や店はほとんどありません。
ただ、沖縄に家族旅行に来て、
リゾートホテルや主要な観光地だけを見て回ると、
沖縄の表の顔しか見ることができません。
子連れで沖縄に旅行をするようになった私が、
子どもの頃に自分の親に連れて来てもらった沖縄は、
もっと荒々しく、
基地の影響がもっと強かったと思います。
この当時の沖縄は旅行に来ても、
あまり近づきたくないような場所がたくさんありました。
現在はあまり感じることができませんが、
コザ暴動などが起こったこの場所は、
基地の人と地元の人が激しくぶつかり合った土地です。
この土地が観光や商業的に発展しないのには理由があるのだと思います。
自分の子どもに何かを伝えたいわけではないのですが、
私が子どもの頃に感じた沖縄を、
自分の子どもにも何か感じて欲しいという思いがあるのかも知れません。
また何よりも沖縄の基地問題が未だに解決していない事実を、
このコザを歩いて私自身が再認識しているのかもしれません。